当院では、西洋医学と東洋医学、両方の良さを活かした治療を行うため、漢方薬を積極的に取り入れています。当院で行う漢方外来は、保険適応内で処方可能なエキス剤を使用します。現在日本では148種類の医療用漢方薬が保険適応となっています。
西洋医学が手術や抗生物質などを使用し、病気の原因として明らかになっているものをターゲットにしているのに対し、東洋医学は、人間の本来持っている自然治癒力を高め、心身全体のバランスを高めることを重視しています。
そのため漢方治療では、その目的となる症状だけでなく、全体の調子が良くなっていくという嬉しい効果が現れることもあります。長く飲み続けないと意味がない、というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、症状や薬剤によっては、内服後数分で効いてくるものもあります。
『病院に行くほどではないけれど調子が悪い』、『検査をしたけれど異常がないと言われた』というケースにお心当たりのある方は多いのではないでしょうか。そうした、はっきりしない体調不良こそ、漢方薬の得意とするところです。年だから、体質だから、と諦めるのは、まだ早いかもしれません。
漢方薬はメリットばかりではなく、もちろん副作用もありますし、思ったような効果が得られないこともあります。例えば多くの漢方薬に含まれる『甘草』という成分には、人によってはむくみや血圧変動を引き起こす場合がありますし、他の薬剤でもお腹がゆるくなる、蕁麻疹が出るといった副作用は起こり得ます。様々な漢方を試してみたものの効かなかったという方もいらっしゃいます。ですが、効かない、副作用が出る、というのも重要な診断要素の一つと私は思っています。その情報をヒントに次の方法を考えることができるからです。診察時には、『効かなかったです』と遠慮なく報告していただける雰囲気になれるよう、心がけています。
こんなかたにお勧め
- 月経に伴う諸症状
- 更年期障害
- 冷え
- 頭痛
- 病後、術後の体力回復
- 風邪の初期症状
- 脚がつる
- 便秘
- 疲労感
- 不眠、気分の波
- 食欲減退
- めまい(予防薬としても)